土木工事と建築工事はなぜ分かれているのか?
施工管理の求人を見ると、工事の種類によって土木工事や建築工事、管工事、電気工事などに分かれていますよね?
土木工事の求人と建築工事の求人はなぜ分けているのでしょうか?
その理由について考えてみたいと思います。
土木工事と建築工事の違い
建築と土木の違いは、簡単にいえば「地面の下の工事が土木工事」「地面の上の工事が建築工事」です。
道路工事やダム工事など、自然を整備する工事を土木工事、土木工事で整備された上に建造物を造る工事が建築工事ともいえます。
建設業界では大手ゼネコンなどでは、土木工事と建築工事の両方を請け負っていますが、土木工事と建築工事を兼業して請け負っているところは多くはないです。
その理由の一つとして、資材や機材、技術的な面で共有できるものが少ないことが考えられます。
一見すると似たような工事を行っているようにも思えますが、現場ではそれぞれに適した技術などが定着しているため、それぞれの分野に分けて工事を行うことが多くなります。
土木工事と建築工事を分ける理由
建築工事と土木工事の現場では、必要とされる資格や許可も変わってきます。
さらに土木系の工事のなかで考えても、専門工事業が27に分かれているためひとつの許可だけでは行える工事の範囲は限られます。
土木・建築どちらの工事も行うとなると、会社にはより多くの有資格者や許可が必要となってしまい、会社としてはそれだけ大変になってしまいます。
しかし最近では、土木工事と建築工事の領域が一体化した計画も増えているようです。
原発再稼働に向けて需要が高まっている安全対策工事もその一つです。
工事の中にはどちらの分野なのか曖昧なものもあるため、二つの領域を超えて計画を立てたほうが効率よく合理的なこともあります。
これからの建設工事
「建設工事」の中において、建築工事は建物を建てるということのみで、その他全ては土木工事が占めているのです。
地面の上に建物を建てるには、まず土地を整備し、建物が建てられる状態にしなければなりません。
建築工事を行うには、土木工事が必要なのです。
つまり土木施工管理をするには建築施工管理のある程度の知識が必要だし、建築施工管理をするにも土木施工管理の知識があった方がいいということです。
これから先も、土木工事(土木施工管理)と建築工事(建築施工管理)を分けない建設工事が増えていくのではないでしょうか。