土木工事の業種内容とは?

建設業界で働こうと決めた人や施工管理に興味を持ち始めた人向けに、土木工事についてご紹介していきたいと思います。
施工管理技士の資格取得をしよう思っているけど、何の施工管理技士の資格にしようか迷っている。そんな方にも土木工事、土木施工管理技士の魅力を伝えられたらと思います。

土木工事と一言でいっても、道路工事や河川工事など種類はさまざまです。

建設業29業種の1つである土木工事業は、業種ごとに「建設業許可」の取得が必要です。
土木工事の業種内容について説明していきます。

土木工事の種類

■河川・海岸工事

河川・海岸工事は各場所で水害を防ぎ、安全確保のために行う工事です。大雨の影響で起こる氾濫を防ぐために、河川の掘削や堤防を強化します。河川工事は種類が多く、下流・中流・上流など場所によって工事内容が変わります。たとえば下流~中流部の場合、洪水の発生時に想定される計画高水位を越えないよう盛土を行う堤防建設があります。上流部の場合は、斜面を変化させて地すべりを防ぐ抑制工や、ワイヤーを付けて地すべりを防ぐ抑止工です。海岸工事では、海岸以外に船上・排水口にある建造物や水底にある土砂を取り除く作業を行います。

橋梁(きょうりょう)工事

橋梁工事とは、川や海などを渡るための橋を造る工事です。橋梁工事には、PCロックシェード橋梁工事・PC橋梁工事・橋脚工事などがあります。一般的に地中で橋を支える基盤と橋脚を造り、橋桁を設置してから道を造っていきます。造成する橋は、コンクリート製の橋や鉄を使った鉄橋などがメインです。

■空港建設工事

空港建設工事の目的は、施設の新規建設や既存施設の強化、古い施設の解体などです。陸上では用地造成工事をしたあとに、建築工事や舗装工事を実施します。海上であれば埋立造成工事や護岸築造工事を行うなど、陸上とは異なる工事を行います。海上工事は土木施工技術に加え、海上に関する知識と高度な技術が必要です。

■公道下の下水道工事(上水道は含まない)

上下水道に関する建設工事は、建設業29業種の中でも細分化されています。公道下の下水道工事は、管工事・土木一式工事・水道施設工事の中で土木一式工事です。工事は、はじめに舗装を切断し道路を掘り下げ、基礎を造ってから下水管を設置します。その後、汚水を本管へ流すための排水枡を取り付けます。

■ダム工事

ダム工事は砂防ダム工事や貯水池ダム工事などがあり、土砂やコンクリートを使ってダム造りをします。砂防ダムは、土石流の流れを阻止したい谷に造るダムです。上流から流れてくる土砂を止めて、下流へ行く土砂の量を調整する工事を行います。一方、貯水池は利水や治水として利用するための人工湖です。規模が大きい工事となるため、工事用の道路造りからはじまります。道路が完成したらコンクリートの材料となる石を運び、堤体を造ります。

■道路・トンネル工事

道路工事とトンネル工事は、以下のように分かれています。

道路工事:道路構造物工事、道路改良工事、道路開設工事、道路築造工事
トンネル工事:トンネル本体工事、シールド工事、推進工事
道路工事では土で造った路床に砕石を乗せ、ローラー重機で踏み固めます。続いて熱したアスファルトと、高密度のアスファルトを重ねて表層を造れば完成です。トンネルは掘削した壁に鉄板や木板をあてて支柱で支え、内側をコンクリートで固めて造ります。

■土地区画整理工事・土地造成工事

土地区画整理工事・土地造成工事は、建築できるように土地の状態を変える工事です。地面をならして整える作業が多く、大地掘削や岩石掘削、表土掘削が挙げられます。住宅などを建てる際、重機や手作業で土地に必要な整備を行います。

■砂防工事

砂防工事とは、河川の氾濫や土石流などの土砂災害を防ぐための工事です。加えて、森林火災などで荒れた土地を緑化する工事も含まれます。土石流などで荒廃した場所に新しく草木を植え、斜面を安定させる工事を行うことで自然環境を守ります。ちなみに氾濫した場所を安全な土地に変え、公園などに活用する工事も砂防工事です。

■農業土木工事(灌漑水道工事/農用造成工事)

農業土木工事は、灌漑(かんがい)水道工事や農用造成工事などが挙げられます。灌漑水道工事とは、農業を行うために河川や地下水から水を引く工事です。そして農用造成工事は、土地を農用にする工事のことです。どちらも排水の改良・区画整理を行い、農地を守ることや生産性の向上を目的として行われます。

■森林土木工事(治山工事/林道工事)

森林土木工事は、森林の道を整えることや土砂崩れを防止することを目的に行う工事です。森林の整備や道を造る林道工事と、緑化のために森の造成を行う治山工事に分かれています。工事の際は木材などを活用し、地形の改変を最小限として環境へ配慮しながら実施しています。

トンネル工事

いかがでしたでしょうか?
土木施工管理技士(1級土木施工管理技士、2級土木施工管理技士)の資格を保有している施工管理技士は色んな種類の工事の施工管理が行えること、規模が大きな工事の施工管理を任されること、大自然の何もない場所での工事の施工管理を行うことに魅力を感じているのだと思います。
施工管理の派遣会社を探してたり、施工管理の求人を見る際は、どんな内容の工事を扱っているかと内容だけでなく規模なども確認しておくといいと思います。

現在、原子力発電所の再稼働に向けて原発での安全対策工事の需要が増えています。それに伴い土木工事や建築工事は増え、確実に土木施工管理技士、建築施工管理技士の需要が高まることが予測されます。需要が高い工事は、施工管理の給与が高くなります。原発での安全対策工事の求人がある会社などの求人をこまめにチェックした方がいいと思います。